人はいつの間にかあらゆることに慣れていきます。
スマートフォンを落として画面が割れてしまったときなど、
落として間もない頃はショックですが、
1ヶ月も経たないうちに、あの頃のショックなど忘れ、
画面が割れる前と同じ心境のまま使い続けています。
そんな「慣れ」を味方に付けるかどうかで、
自身で設定した目標(ゴール)に進んでいけるかどうかが決まります。
【目次】
きれいな状態を維持したい
新しく家を立てた。
または新しい新居に引っ越してきた。
これから理想的な部屋を作ろうと意気込んでいます。
カウンターキッチンの横にテーブルを置き
窓際には観葉植物を置く。
キッチンの棚にはきれいに並べられた食器。
この時、あなたがみているものは、
理想的で汚れ一つないキレイな部屋とキレイなキッチン。
料理中、壁に油がはねようものなら、
すぐに拭き取りきれいな状態を保とうとします。
またリビングに余計なものは置かず、
理想に近づくための必要最低限のものしか置いていません。
カウンターの上に余計なものを置こうものなら
すぐに「片付けて」と怒鳴られてしまいます。
これは認知的不協和と呼ばれるものです。
自分がイメージしているモノや環境と現実とに矛盾が生じた時に覚える不快感のことを言います。
壁に掛けられた絵が斜めになっていたら直したくなる衝動にかられたり、
部屋の壁に対して斜めになっているテーブルを真っすぐにしたいと思うのは認知的不協和によりイメージと現実の間に矛盾が生じているからです。
引っ越してきたばかりのピカピカの新居にもかかわらず、
キッチンの汚れや、イメージにない余計なものが置かれた状態の部屋
そのような状態に我慢できないのは、
部屋がそうあるべき状態に見えないからで、
するとあなたの潜在意識は秩序を正そうとします。
キレイな状態に戻そうとするエネルギーと原動力が生まれてくるのです。
生活の中での慣れ
ところで、キッチンやリビングはほぼ毎日使う場所ですね。
しばらくすると、壁に汚れが飛び散ってしまったときに
以前であれば、汚れが完全に消えるまで拭き取っていましたが、
サッと拭いただけで終わりにしてしまうことがあると思います。
しかもよく見ると、汚れは至るところにあり、
ホコリなども付着しているところを見ると、
昨日今日の汚れではなく、ここ数ヶ月分の汚れが目立ちます。
なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか。
それは、その状況に慣れが生じ
キッチンをキレイに保つというモチベーションが弱まってきているのです。
このことから、自分自身や何かに求める基準は、生活の中での慣れで決まるということが分かります。
引っ越したばかりのピカピカの状態では、
認知的不協和がキレイに保つという秩序を回復する力を与えてくますが、
一度、秩序が戻ると安心してしまい、
創造的エネルギーと意欲を失ってしまう傾向にあります。
なぜ部屋に物が散乱していても平気なのか、
なぜあれほどきれいに並べられていた食器たちは、
こんなにもバラバラなのか。
それは「今の状態で十分」と思っているからです。
思いつきで「そろそろ本気でキレイにするか」と思っていても、
「やっぱり年末にまとめてやるからいいや」などと創造的回避をするのが関の山です。
スポーツの世界
このことはキッチンでの出来事に限らず、
どのような世界でも同じようなことが言えます。
たとえばスポーツの世界で、
チームの目標が今現在のリーグから降格しないことであるとします。
しかしチームは快進撃を続け、
今年のリーグ前半戦で優勝も狙える順位にまで上りつめました。
他のチームは優勝もしくは、それ以上を目標とし、
自チームは優勝以上の目標ではなく、
現在のリーグに留まることを目標とした今シーズン。
優勝を争う数チームの中で、最終的にどのチームが勝ち続けるための認知的不協和やエネルギー、モチベーションを持ち続けることが出来るでしょうか。
銀行口座にお金がない
銀行口座にお金がないことに慣れてしまうと、
今必要なだけのお金を稼ぐことしか考えなくなることも同じことが言えます。
「今は余裕がない、もっと稼げるようになったらお金をためて…」などと考えてはいないでしょうか。
「余裕がない」というイメージを持ち続けている限りは、
潜在意識fがお金持ちになることを許しません。
潜在意識はイメージ以上のものは引き出さず、
自分の命ずることだけをします。
目標を設定する
目標設定とは、自分が将来どんなことに慣れるかを決めることです。
新しい基準を頭の中でイメージすることにより、
今まで間違っていないと思っていたものも含め、
現状で間違っているものが全て見えてきます。
これこそがスコトーマが外れた状態ということです。
台所がある程度汚れている状態というのは。
要するに毎日掃除をしなくても良い状態に居心地の良さを感じています。
そこに台所は常にピカピカで清潔という新しいビジョンと目標設定を頭の中のイメージになじませると、現在の基準に不満を覚えるようになります。
その中で、ただ単に目標設定するのではなく、
目の前の現状と正面から向き合うことが大切です。
台所が汚いということをしっかりと認識し、
目標設定に対しての矛盾を認識する。
自分の収入や銀行口座の残高から目を背けず、
そのネガティブなフィードバックをすることにより、
矛盾を感じ、目標に対しての現状に満足できなくなります。
そしてそのビジョンと目標を信じることで、
ゴールに必要な手段、情報、方法が見えてきます。
ゴールは現状の外側に
スポーツチームでよく見られるのは、
現状の選手レベルを認識し、
「このシーズンは戦力的に上位争いは難しいから残留を目標に」というように、
将来を現在わかっていることを基準に考えてしまいます。
目標を設定する理由は、
現状を飛び越えるため目標を、すでに達成されたことのようにイメージすることです。
リーグで残留を目標にしていたチームが、
世界レベルで上位争いをする目標に切り替え、
選手やチーム経営者一人ひとりが、
それがすでに達成されたかのようにイメージすることで、
達成するために必要なことが見つかります。
進化、成長するには、新しいビジョンを定め、現状に対する不満を持つことが必要です。
まずは、現状の外側にゴールを設定し、
その中で、自分は何に慣れてしまっているのかを吟味することも必要です。
あなたには何でも生み出し、どんなことでも達成する力があります。
まだそれが分からないという方も、大丈夫です。
焦らず、笑顔で前に進みましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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