ラスとスコトーマの説明の記事はこちらから(RASとスコトーマの関係性)

私たちが普段生活していく中で、常に五感を働かせ毎日のように数多くの情報を得ています。
それとは逆に数多くの情報を逃しているのも事実です。
でもご安心ください、それが正常な状態なのです。

脳は昨日見たものを、今日は見ない

いま私たちが見ている世界は過去の記憶で成り立っていて
過去に見たものを、全て一つ一つ認識していると、脳の情報処理が追いついていかないというのです。
ですので、脳は昨日見たものを今日も見たという気にさせるのです。
ではなぜそのようなことが起こるのか。

もし脳が五感で感じたことすべての情報を処理し、脳を100%フルに働かせると、その瞬間に餓死してしまうほどのエネルギーを消費してしまうのです。
このように脳が手抜きをすることで生命の危機を回避しているのです。
その手抜きそのものがRASのカラクリそのものなのです。

カクテルパーティー効果とは

皆様はカクテルパーティー効果というものをご存知でしょうか。
パーティーや結婚式などで、お酒を飲みながら立ち話をしている状況を思い浮かべてみてください。
知り合い同士で会話をする時には一定の距離を保つのですが、後ろにいる見ず知らずの人と距離がくっついていてもあまり気になりません。

それに近ければ近いほど見ず知らずの人の声のほうが大きく聞こえるはずですが、その人の声は聞こえず、距離の離れている知り合いとの会話ができるのです。

なぜなら、その人にとって必要でない情報を遮断しているから。
これこそがRASであり、その結果がスコトーマということになります。

カクテルパーティー効果での脳の働き

先程、多くの情報を逃していることが正常と書きましたが、
このカクテルパーティ効果のように情報を取り入れすぎないからこそ正常な状態を保てているのです。
例えば、夜中に様々な音(虫の鳴き声、時計の秒針の音 ets…)が気になり眠れなくなることはないはずです。
ただ、カクテルパーティー効果のような状況で後ろの人が自分にとって興味があることを話し出すと、急にその会話が耳に飛び込んできて、知り合いとの会話に集中できなくなるなんてこともあると思います。

脳が正常な状態を保つために、重要ではないと判断したものにフィルターをかけ、見えなくなるのです。
その逆で脳が重要だと判断すると、急に見えたり、聞こえたり、感じたりするということも合わせて覚えておくとゴールというものが見えてくるかもしれません。

ここまでお読みいただきありがとうございました。