以前、スコトーマの説明として”腕時計の絵を描く”という記事を書きましたが、(『RAS(ラス)とスコトーマの関係性』をご覧ください。)
ここでは、ゴールとスコトーマの関係性についてお話したいと思います。

まずスコトーマのおさらいですが、私たちの脳は昨日までの自分が重要だと判断した情報で成り立っています。脳が重要でないと判断した情報はRASと呼ばれるフィルターを通し認識することによりスコトーマ(盲点)となるのです。

このスコトーマの原理、脳の機能としてはどのようにい働いているのでしょうか。
脳は重要でない情報にスコトーマがかかることはお伝えしましたが、一度見たものは見ないという手抜きとも言える機能を持っています。この現象はRASとスコトーマをカクテルパーティー効果で紐解くでも書きましたが、脳がオーバーヒートしないように抑制し生命の危機を回避する働きをしていると言えます。

また、『RAS(ラス)とスコトーマの関係性』でも書きました、普段自分が身に着けている腕時計の絵を描くという実験や、妻が妊娠すると町中に急に妊婦さんやベビーカーが増える(増えたように見える)のも、このRASとスコトーマが影響しています。
つまり興味のないものは見えていないということなのです。
自分にとって興味や重要性が上がることで
今まで全く見えていなかったものが見えてきます。

それでは、自分にとって重要なものは何で決まるのでしょうか。
それは殆どの場合、自分のお父さんやお母さん、学校の先生の影響が強くあります。
お父さん、お母さんに言われたこと、学校の先生に言われたことで、
自分の自我(ブリーフシステム)が作られます。
つまりは権威の言うことで見える世界が変わってしまい、
場合によっては本来見えるべき世界にスコトーマがかかり
見えるべき世界が狭まってしまいます。
ここで重要なこと、ゴールという言葉が登場します。

コーチングでは現状の外側にゴールを設定するということを重要視しています。
子供の頃は何かしら漠然とした将来の夢を持っていたと思います。


「プロ野球選手になってメジャーリーグで…」「医者になり世界で…」


それが成長とともに、様々な情報を吸収することにより、
いつの間にか夢を諦めているという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


「それは難しい」「現実を見ろ」


他人に聞いたこと言われたことで自我(ブリーフシステム)は変わってしまいます。
すると人は現状の内側に目標設定し、他の人に設定された人生を歩むことになります。
また、現状の内側にゴールを設定するということは、
先程お話した脳の機能”一度見たものは見ない”
つまり”昨日見たものは今日は見えない”ということです。
更に言うと”昨日の自分と同じでよい”ということになるのです。
昨日までの自分が重要だと判断したものを重要とすることで、
様々な可能性がRASとスコトーマにより限定されてしまうのです。

そこで、先程も申しました。
現状の外側にゴール設定をすることが大事となってきます。
現状の外側にゴールを設定すると当然、昨日までの自分では足りなくなります。
すると脳は自然とゴール達成までの道筋を探し、
重要なもの、今まで見えていないものが見えてくるのです。
つまりRASがオープンになりスコトーマが外れ、
ゴールを達成する情報が次から次へと脳に飛び込んでくるのです。


一つ例を取ると、年収300万の人が複数のゴールの一つとしてフェラーリのオーナーになるというゴールを設定したとします。
するとまず、町中には意外と多くのフェラーリが走っていることに気が付きます。
雑誌や広告、インターネットなどの情報にも意外と多くの情報があることに気が付きます。(もしかしたら、中古、新古車という選択肢も出てくるかもしれません?)
それではいざ!という時に銀行口座をみると持ち手が全然足りないことに気が付きます。
ここで、「これはおかしい!」となるか「諦めよう」となるかはゴール設定次第。
「これはおかしい!」となれば、脳はクリエイティブに働き
スコトーマが外れることで、ゴール達成までの道筋が見えてくるのです。

少々長くなりましたが、ゴールとスコトーマの関係性が
なんとなく見えてきましたでしょうか。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
まずは、現状の外側にゴール設定をしてみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。